呼吸の温故知新・・・ヨガ、禅、ピラティス

 どの時代にも、体幹は呼吸で整えられてきました。「ヨガ(ヨーガ)」は、インド文化に起源を持つ、歴史の古い心身の調和法です。もともとは、インドの六種の哲学「六派哲学」の一つで、六種の中でも、心身の訓練を通して人間のあり方をみつめることを大きな特徴としています。ヨガとは、サンスクリット語(古代インド語)で「馬などを馬車につなぐ」という意味があり、それが転じて、心と体、、呼吸と精神を結びつけるという意味を持ちます。

 ヨガの原理は、呼吸法、対位法(身体的なポーズ)、感覚制御、意識集中、瞑想など計8つの支則があり、中でも呼吸法と対位法を習得することで、体と精神を満たすことができるようになるとされています。ポーズをとることだけが目的ではなく、そのポーズをとる過程で、呼吸を感じ、気持ちを整えて自分の気付きを感じるのです。

 このヨガに並ぶものが、禅です。禅とは、瞑想という手法で雑念や煩悩をなくす宗教の修行です。禅のほとんどの方法は、姿勢を正して呼吸を整え、瞑想するというものです。座禅、立禅、歩行善など、呼吸とさまざまな姿勢をとることを融合させています。ここには、心のあり方が反映され、あるがままを受け入れ、ひたすら呼吸をし、「日日是好日(どんな日でも毎日が新鮮で素晴らしい日である、という意味)」という精神を持つことが大切とされています。禅における心や精神を鍛える呼吸は、へその下の丹田に意識を向ける丹田呼吸です。この丹田呼吸は、ルーツをたどれば、仏教の開祖、ブッタ(釈迦)に行き着くといわれています。

 また、ピラティスという方法も人気があります。創設者のジョセフ・ピラティスは1900年代前半、「コントロロジー」という考え方で、体を動かす骨や筋肉を意識し、活用することを提唱しています。目指すのは鍛え抜いた筋肉ではなく、柔らかくしなやかな筋肉であり、しっかり呼吸を意識して脊柱を自由に動かすこと、筋肉をコントロールすることとしていいます。

 このように呼吸法は、医学や化学が進歩する前から現代に至るまで、ストレスを緩和し、体幹を鍛える健康法の原点といえます。息をゆっくり吐き、静かに吸う、これを繰り返すことでざわつく心が落ち着き、心身共に健康になっていくのです。


漢方のすすめ

エネルギー源である「気(き)」は、両親から与えられた「先天の気」と、呼吸から得られる宗気と飲食物から得られる水殻の気というふたつの「後天の気」によって構成されています。

朝早く起きて、新鮮な空気をたっぷり吸いこみ、免疫力、代謝をアップさせましょう。


気を補う食物は、玄米、穀類、いも類、豆類、きのこ類

漢方なら高麗人参がおすすめです。


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ここでは、健康についてや、自然の摂理などといった、『気付き』をテーマに書いています。 ご自分の体の中を想像すること、自然のバランスや生命の素晴らしさに気付くことで、喜びや愛しみを感じ、自分もひとも大切にする事が心身を強くする第一歩。 【食べて・笑って・恋をして】 健康へと導く食の知識や、大切な人との暮らしの笑顔と、ご自分を愛おしむ気持ちを大切に、 どうぞ健やかにお過ごしください。 感謝